ブッシュミルズ蒸留所の見学ツアー

蒸留所
06 /28 2020

昨年の6月のはじめに、北アイルランドのブッシュミルズ蒸留所に行ってきました。今回は、そのときの様子を書きます。

 

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私の住むダブリンから北アイルランドの首都であるベルファストまでは車で2時間半ほど。このくらいの距離だと日帰りは苦になりません。しかし、ブッシュミルズ蒸留所があるブッシュミルズの町までは、ベルファストからさらに1時間半ほど車を走らせたところにあります。


Bushmillsmap.png

 

ちょっときついかな、とも思ったのですが、思い切って車で行ってきました。車で遠出するときは、私はだいたいあいみょんを聞いています。道は整備されているので、その点は安心です。

 

ダブリンから北アイルランドに行くということは、国境を超えるということになるのですが、検問などはありません。ブレグジットの後も、検問等はない方向性で進んでいるようです。いちおうパスポートは携行しました。

 

この蒸留所は正式にはオールド・ブッシュミルズ蒸留所 (Old Bushmills Distillery) といいます。ミドルトン蒸留所やジェムソンのボウ・ストリート蒸留所など、Old がつくと現在は稼働していない蒸留所のことを指すことが多いのですが、ここはもちろん稼働中です。

 

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ここの蒸留所見学の良いところは、アイルランドの大手の蒸留所の中で唯一、実際に稼働している製造過程が見られることです。逆に、残念なことは、見学中の写真は一切禁止だということです。産業スパイ的なものを警戒しているのかもしれませんね。

 

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私が参加したのは朝の11時の回でしたが、国際色豊かな15人ほどお客さんが集まりました。ガイドはテリーさんという40代くらいの男性。

 

紹介ビデオとかはなくて、いきなり仕込み (糖化) の現場から始まります。以前使っていた銅製のマッシュタン (糖化のための容器) を、内部が見えるように真っ二つに割って展示しています。現在、実際に使用されているものはステンレス製なんですね。

 

イーストを加えて発酵させる工程を経て、蒸留器が置いてあるエリアへ。ブッシュミルズ蒸留所にはポットスティル (単式蒸留器) 10 個もあります。

 

次の工程である貯蔵 (熟成) については実際の貯蔵現場ではなくて、見本の樽を使っての説明です。

 

次は半自動システムでウイスキーを樽に詰める作業。いくつも蒸留所の見学に行きましたが、この工程は見たことがなかった。

 

そして、ビンにラベルを貼って箱詰めする作業。ここはほぼ完全に自動化されています。

 

このツアーでは定番のテースティングはなくて、9 ポンドの料金の中に最後のウイスキー 1 杯が含まれています。残念ながら私は車でしたので、コーラを飲みました。

 

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所要時間は 40 分ぐらい。このくらいがちょうどいい長さかもしれません。

 

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私が行ったのはアイルランド共和国が3連休の月曜日。だいたいイギリスとアイルランドの祝日は同じ日なのですが、6月の最初の月曜だけは、アイルランドは祝日だけど、北アイルランドは祝日じゃないのです。ブッシュミルズ蒸留所には 10 年ほど前にも行ったことがあるのですが、そのときは日曜だったからか箱詰めの工程の機械が止まってたんですね。今回は全部見れてよかったです。

 

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ブッシュミルズ蒸留所は、一時期はジェムソンのオーナーでもあるアイリッシュ・ディスティラーズ社が所有していたのですが、2005年にディアジオ社に売却され、その後、2014年からはメキシコのテキーラ製造大手であるホセ・クエルボ社が親会社となっています。

 

この蒸留所を作った会社が設立されたのは1784年なのですが、ブッシュミルズのラベルには1608という数字が書かれています。これは、ウイスキーを蒸留するライセンスがこの町の土地所有者にイギリス国王から与えられたのが1608年だからだそうです。

 

このあたりが、いつもキルベガン蒸留所と論争になるのですよね。現在はビーム・サントリー社が所有するキルベガン蒸留所は、1757年に蒸留所あてにライセンスをもらっています。そういう意味ではキルベガン蒸留所の方が早いわけです。

 

ちなみに、北アイルランドでは市中銀行がそれぞれ独自の紙幣を発行することができます。去年の6月の段階では、バンク・オブ・イングランドの紙幣を含め、5種類の紙幣が流通していました。その中のファースト・トラスト銀行は紙幣の発行をとりやめたようですので、この銀行のものはあまり見かけなくなっているかもしれません。

 

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その中で、バンク・オブ・アイルランドという銀行が発行する紙幣の裏面には、このブッシュミルズ蒸留所が描かれています。

 

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ブッシュミルズ蒸留所の近くには世界遺産のジャイアンツ・コーズウェイもありますので、観光の際にはそちらにも足を伸ばしてはいかがでしょうか。


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この日、私はジャイアンツ・コーズウェイを訪れた後、ウナギ漁で有名なトゥームの町に立ち寄ってからダブリンへと帰りました。

 

そのときの様子も当時、別のブログに書きましたので、よろしければご覧ください。

 

世界遺産・ジャイアンツ・コーズウェイと六角柱の郵便ポスト

ウナギ漁で有名なトゥームの村に行ってきました


 Bushmills-Original-776x1176.jpg

 

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最新のアイリッシュ・ウイスキー: ヴェルヴェット・キャップ

ニュース/記事
06 /27 2020

ウォーターフォード県  (County Waterford) のバリーダフ・アッパー (Ballyduff Upper) という小さな村にあるブラックウォーター蒸留所は、2014年に設立された新しい蒸留所。その名前は、近くを流れるブラックウォーター川にちなんでいます。

 

これまでは、ジンを製造していましたが、今回初めてウイスキーを販売するということで、アイリッシュ・タイムズ紙の記事になっていました。


 アイリッシュ・タイムズ紙の記事はこちら

Latest Irish whiskey on the market is Velvet Cap

 

 

(翻訳ここから)

最新のアイリッシュ・ウイスキー: ヴェルヴェット・キャップ

 

: ジョン・ウイルソン

2020624


VelvetCap.png 


新しいウイスキーが続々と登場している。最新のアイリッシュ・ウイスキーはヴェルヴェット・キャップ。ブラックウォーターNo. 5やアルディ (訳注: スーパーマーケット) のプライベート・ブランドであるボイルズ・ジンの製造で知られるブラックウォーター蒸留所の製品だ。


 

ヴェルヴェット・キャップは、この蒸留所からリリースされる最初のウイスキーとなる。しかし、オーナーのピーター・マルライアン (Peter Mulryan) 氏にとって、ウイスキーは未知の領域ではない。なぜなら、彼は『アイルランドのウイスキー (The Whiskeys of Ireland)』というタイトルの本を出版しているからだ。


 

ブラックウォーター蒸留所は、ブラックウォーター川のほとりのバリーダフ・アッパーという美しい村にあるマイクロ・ディスティラリーだ。蒸留だけを目的に建設された建物を使用している。今年の4月から開始する予定だった蒸留所見学ツアーは、新型コロナウイルスの影響で延期となった。マルライアン氏は、7月初めに少人数対象のツアーをスタートできればと考えている。


 

マルライアン氏と蒸留責任者のジョン・ウィルコックス氏は、バリーダフで古いマッシュビル (原料のレシピ) を使用して魅力的なウイスキーをいくつも蒸留しているが、これらは現在、熟成の途中である。「私たちが作った新しいウイスキーは、熟成を始めてからまだ18か月しか経っていない。ここで蒸留したウイスキーを出荷するには、あと2年待たないといけない」とマルライアン氏は言う。「しかし、私たちの存在をいろいろな人に知ってもらう必要があると感じた。飲みやすく、心地のよいウイスキーになっている。価格設定も手ごろだと思う」


 

グレーン・ウイスキーとモルト・ウイスキーを50%ずつブレンドしたヴェルヴェット・キャップは、バーボン樽、ポート樽、スタウティッド・ライ樽 (訳注: おそらく、過去にスタウト・ビールとライ・ウイスキーの熟成の両方に使用されたことのある樽) で仕上げた原酒を使用している。ノーズとパレートは、熟れたプラム、トロピカル・フルーツ、そしてヴァニラ。豊かで滑らかな舌触りである。マルライアン氏も言うように、とても飲みやすく、心地のよいウイスキーだ。


 

最初のバッチで出荷されるのは6000本だが、追加販売も予定されている。ヴェルヴェット・キャップは、専門の酒屋で購入できるほか、irishmalts.com で購入すれば国内および海外にも発送してもらえる。価格は40ユーロ。アイリッシュ・ウイスキーの盛衰を記したマルライアン氏の本は、ブラックウォーター蒸留所の Web サイトから購入できる。読みごたえのある1冊である。


(翻訳ここまで)

 

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アイリッシュ・ウイスキーとクラフト・ビールのコラボ

雑談
06 /26 2020

私はいろいろとお酒関係のものを収集しているのですが、パブに行くとテーブルに置いてあるビアマットもその1つです。ちなみに、プラスチックなどでできていて、何度も使えるものはコースターと呼ばれ、紙製の使い捨てのものはビアマットと呼ばれます。

 

いろいろな会社が広告ツールとしてビアマットを使用していますが、やはり最も多いのはアルコール飲料です。ウイスキーのももちろんあります。たとえば次のようなもの。


WhiskeyBeerMatt.png


しかし、最近はクラフト・ビールのビアマットをよく見かけます。小さな醸造所はテレビ広告などを打つ資金はないと思いますので、安価なビアマットを利用しているのかもしれません。

 

さて、次の写真に写っているのは、すべてアイルランドのクラフト・ビールのビアマットです。

 

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アイリッシュ・ウイスキーのブログなのに、「なんでクラフト・ビール?」と思われるかもしれませんが、最後にウイスキーの話につながりますので、ご安心して(?)お読みください。


有名どころのクラフト・ビールをいくつかご紹介します。まず、カーロー県に本拠を構えるカーロー・ブリューイング社のオハラズ(O’Hara’s)

 

oharasmatt.png

 

創業は1996年と、アイルランドのクラフト・ビール会社としては老舗であり、規模としても最大手の1つと言っていいでしょう。アルディ(Aldi)というスーパーのプライベート・ブランドの供給元でもあります。

 

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こういうパブのサインも、小さなクラフト・ビール会社ではできないと思います。

 

次は、ポーターズハウス (Portershosuse)

 

IMG_4801.jpg

 

たぶん、アイルランドのクラフト・ビールの中では一番有名。こちらも1996年の創業ですが、オーナーはこれ以前にもクラフト・ビールの事業にトライしていたので、アイルランドのクラフト・ビールのパイオニアはポーターズハウスだと言っていいと思います。

 

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ポーターズハウスは同名のパブを何軒か経営しています。下の写真はトリニティ大の近く、ナッソー・ストリート(Nassau Street)にある店舗です。テンプルバーやロンドンにも支店があります。

 

portershouse.png

 

ポーターズハウスのオーナーはウイスキー・ビジネスにも進出していて、ディングル蒸留所はグループ企業です。ポーターズハウス2人の従兄弟が始めた会社で、そのうちの1人がウイスキーを一生懸命やっていたんだけど、2016年に57歳の若さで急死。蒸留所を始めたのが2012年だから、ウイスキーの初出荷は見届けることができたか。

 

さて、次はこちら。フランシスカン・ウェルとエイト・ディグリーズ。

 

fribcuscab_8degree.png

 

この2つは厳密にはもうクラフト・ビールと呼べないかもしれません。2つとも大手の会社に買収されてしまったからです。

 

フランシスカン・ウェルは1998年にコークで産声を上げた会社。醸造所は、800年前にフランシスコ会修道院が建てられた場所にあります。2013年にカナダに本拠を置くモルソン・クアーズに買収されました。当時はまさにクラフト・ビールが日の出の勢いでしたし、大手ビール会社も新しいビール愛好家を開拓するための商品を探していたのでしょう。

 

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エイト・ディグリーズの方は2010年にコーク県のミッチェルズタウンで設立。2018年にジェムソン・ウイスキーなどを生産するアイリッシュ・ディスティラーズ社に買収されました。

 

どうしてウイスキーの会社が? と思われるかもしれませんが、その理由はジェムソンのカスクメイト・シリーズというウイスキーにあります。

 

IMG_5059.jpg



どういうことかといいますと、ジェムソンの公式 Web サイトから引用します。


カスクメイツ・シリーズでは、「ジェムソン・ウイスキーの熟成に使用した樽で、アイリッシュスタウトを熟成させてバレルエイジドビールを造り、その樽を再び蒸留所に戻してジェムソン・ウイスキーのフィニッシュに使用」するのです。

 

以前は上述のフランシスカン・ウェルとのパートナーシップでカスクメイツを生産していたのですが、カスクメイツの人気が高まるにつれ、フランシスカン・ウェルとの協力だけではまかないくれなくなってきたのです。

 

そこで、エイト・ディグリーズを買収することによって、カスクメイツ生産用のビール熟成樽を安定的に確保しようとしたのです。商品ポートフォリオを拡大することではなく、製造に必要な樽を確保することが第一の目的でビール会社を買収するというのはおもしろいですね。

 

この買収に関するアイリッシュ・タイムズ紙の記事はこちら(2018511)

IrishDistillers acquires Cork-based craft brewer Eight Degrees


クラフト・ビールは今でも人気が高くて、スーパーマーケットの商品棚でもかなりのスペースを占めていますし、クラフト・ビールを主に置いているパブなんかも珍しくありません。


8degrees.png

 (エイト・ディグリーズのビール)


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父の日ギフト & ゲーム・オブ・スローンズのミニ・ボトル・セット

雑談
06 /21 2020

621日の日曜日は父の日ですね。

 

ダブリンにあるザ・ヘッドラインというパブで、父の日向けのギフト・セットを販売していたので買ってきました。私の父親は10年近く前に他界しておりますので、完全に自分向けです。


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ギフト・セットの内容は、18年モノのシングル・モルト・ウイスキー、クラフト・ビール6本、キョウズ(Keogh’s)のポテチ、板チョコ、カード、クラフト・ビールのグラス、クラフト・ビールのビアマット取り合わせです。お値段は45ユーロ。

 

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私が欲しかったのは、もちろんウイスキーのミニ・ボトルです。ティーリング社のウイスキーで、18年モノ。アルコール分46%70ml入りです。


TeelingMinibottle18Years.png 

 

それから、ザ・ヘッドラインのオンライン・ショップでは、ゲーム・オブ・スローンズをテーマにしたミニ・ボトル11本セットも売っていたので、そちらも購入しました。75ユーロ。


GoT_Minibottles.png

 

ゲーム・オブ・スローンは言うまでもなくHBOの人気テレビ・ドラマですが、北アイルランドの映画庁 (Northern Ireland Screen) が出資しており、北アイルランドの各地でロケが行われています。一番有名なのはダーク・ヘッジでしょうかね。絵葉書にもなっています。また、リトル・フィンガー役を演じたエイダン・ギレンはダブリン出身です。


DarkHedgePostcard.png

 

今年の秋には、北アイルランドのバンブリッジという町の近くに「ゲーム・オブ・スローンズ・スタジオ・ツアー」なるアトラクションがオープンする予定です。

 

実は私はこのミニ・ボトル・セットはアイリッシュ・ウイスキーを使ったものだと思い込んでいたのですが、スコッチ・ウイスキーでした。ゲーム・オブ・スローンズはスコットランドでもロケをやっているんですね。

 

ロイヤル・ロッホナガー、クライヌリッシュ、ラガヴーリン、ジョニー・ウォーカー(3種類)、オーバン、カーデュ、タリスカー、ダルウィニー、グレンデュランのウイスキーが使用されています。すべてディアジオ社のブランドですね。


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ここで、「私もゲーム・オブ・スローンズは好きでよく見ていました。面白かったですよね」などと言うことができれば話も盛り上がるんでしょうが、残念ながら、私、まったく見ておりません。連続テレビ・ドラマは、次の回まで一週間待つのがつらくて、ほとんど見ることができないんです。裏切りの連続で、たいへん面白いドラマだったとは聞いております。なんだが尻切れトンボですみません。

 

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新しいアイリッシュ・ウイスキーを試飲する

ニュース/記事
06 /20 2020

2020616日のアイリッシュ・タイムズ紙に、ウイスキー担当記者のジョン・ウイルソン氏が新しい5つのアイリッシュ・ウイスキーを試飲する記事が掲載されていたのでご紹介します。


NewIrish whiskies to try: Drumshanbo, Teeling, Sliabh Liag and Grace O’Malley

 

(翻訳ここから)

新しいアイリッシュ・ウイスキーを試飲する: ドラムシャンボ、ティーリング、スリーヴ・リーグ、グレース・オマリー

: ジョン・ウイルソン

2020616

 

なにからなにまですべての作業を自分たちでやった。最初から最後までドラムシャンボ (訳注: リートリム県の小さな村) にあるザ・シェッド蒸留所でやり遂げた。プロジェクトを開始してから7年、蒸留を始めてから5年かかった」とパット・リグニー氏は言う。

 

ドラムシャンボ・シングル・ポット・スティル・アイリッシュ・ウイスキーは、同社の将来の主力商品となる予定だが、さまざまなブレンドを試してみる余地もまだある。

 

「私たちが望む品質のシングル・ポット・スティルを作るには、もう少し時間が必要だ。あと4年半か5年くらい。この新製品は、カラーリングなしのノンチルフィルタード。熟成は主にバーボン樽で行われているが、オロロソ樽で熟成した原酒も一部使用されている」

 

ドラムシャンボ (Drumshanbo) (€60) は優雅なウイスキーで、クリーミーな舌触り、豊かなスパイス、焦げた木とほのかなイチジクの香りが特徴。

 

ティーリング2つの新製品をリリースした。28年ヴィンテージ・リザーヴ・カスクとブラバゾン・シリーズ・スリーである。ブラバゾン (€95) 14年モノのシングル・モルトで、年季の入った非常に古いいペドロ・ヒメネス・ワイン樽で3年間熟成されている。強烈なレーズン、イチジク、糖蜜、タバコのフレーバーを持つパワフルなウイスキー (アルコール分49.5%) である。28年モノのウイスキー (€500) 4000本生産される。これは、ワールド・ウイスキーズ・アワードで世界最優秀シングル・モルト賞に輝いた24年ヴィンテージ・リザーヴ・カスクの続編となる製品である。最後の8年はソーテルヌ・ワイン樽で熟成されており、蜂の巣、熟れた果実、スモークが力強く匂い立つ。蒸留責任者のアレックス・チャスコによれば、「腕の毛が逆立つようなウイスキー」だそうだ。

 

ドネゴール県のスリーヴ・リーグ蒸留所 (Sliabh Liag Distillers) は、ピート香がきいたスモーキーなウイスキー、レジェンダリー・ダーク・シルキー (€42) をリリースした。甘くスモーキーなピートとダーク・チョコレートが色濃く漂う、まろやかで心が温まるようなウイスキーである。

 

最後に、グレース・オマリー (Grace O’Malley) から新しく限定発売されるのは、ラム・カスク・アイリッシュ・ウイスキー (€65)。円熟した甘いトロピカル・フルーツと、ほんのりとしたバニラ・スパイスがの香りが心地よく調和している。

 

ここで紹介したウイスキーはすべて、専門店、製造元のオンライン・ショップ、celticwhiskey.comirishmalts.comwineonline.ie で購入できる。

 

(翻訳ここまで)

 

ドラムシャンボのザ・シェッド蒸留所は、これまでガンパウダー・アイリッシュ・ジンというジンを製造販売していたのですが、ここにきて初めてウイスキーを市場に出せるようになりました。それが、今回紹介されたドラムシャンボ・シングル・ポット・スティル・アイリッシュ・ウイスキーです。

 

スリーヴ・リーグ蒸留所の名前の由来はドネゴール県の大西洋沿いにある山の名前。スリーヴ (sliabh) はアイルランド語で「山」の意。

 

グレース・オマリーは、16世紀アイルランドの実在の人物で、豪傑として知られる女族長です。


3NewWhiskeys.png

teeling-2newwhiskey.jpg

 

上列左から: ドラムシャンボ・シングル・ポット・スティル、スリーヴ・リーグ・レジェンダリー・ダーク・シルキー、グレース・オマリー・ラム・カスク

下列左から: ティーリング・ブラバゾン・シリーズ・スリー、ティーリング・28年ヴィンテージ・リザーヴ・カスク


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ジョン・ティーリング物語

ニュース/記事
06 /19 2020

1987年にクーリー蒸留所をオープンし、アイリッシュ・ウイスキーを復活させた男として知られるジョン・ティーリング氏。彼のインタビュー記事が、2019228日のアイリッシュ・インデペンデント紙に掲載されていたので翻訳しました。

 

彼は鉱業の世界にも関わっていたので、そちらの方の面白い話も聞くことができます。


Johnteeling.png



Cannabis next big thing, says John Teeling, the man who revived Irish whiskey

 


(翻訳ここから)

「次に大きな産業となるのはマリワナだ」とアイリッシュ・ウイスキーを復活させた男、ジョン・ティーリング氏が語る


: エリー・ドネリー

2019228


私たちのほとんどは70代になれば引退を考える。だが、ジョン・ティーリングは違う。彼は、次の先進的な展開を見据えている。


「マリワナ業界の動きに注目している。理由は単純で、アルコールと競合するからだ。マリワナ業界は大きくなる。なりつつある。ならないわけがない」と73歳のベテラン投資家は言う。「マリワナ業界になんらかの形で関与したいと考えている。おそらく参画することになるだろう」と彼は付け加えた。


3人の子供を育て、68歳までラグビーをプレイしたティーリング氏は、彼が名を成した2つの産業、すなわち鉱業と蒸留業でも今後のプランを思い描いている。


「いわゆる人工ダイヤモンドについて研究するつもりだ」と彼は言う。「これは一種の天然ダイヤモンドだ。圧力釜の中で育てる。しかし、技術的に大きな問題がある。本当の天然ダイヤモンドに取って代わるものになるか? いや、そうはならないだろう」


蒸留酒ビジネスについては、「ウイスキー関連の事業をさらに発展させる」と語る。つまり、グレート・ノーザン蒸留所を成長させるということだ。このウイスキー蒸留所は、ラウズ県のグレート・ノーザン醸造所のあった場所に彼が2012年に設立したものである。


「それだけで充分忙しくしていられるだろう」と彼は言う。


ティーリング氏が働き始めたのは14歳と早かった。父親を亡くした影響もあった。


「私は一番上の子で、14歳で働き始めた。選択肢はなかった。私の母は37歳で、田舎の出であり、教育も受けていなかった。当時はひどい状況だったが、とても良い勉強にはなった」

 

彼自身の言葉によれば、集中力が「非常に優れていた」ために、学校で優秀な成績を収めた。奨学金を得て UCD (アイルランド大学ダブリン校) に進学し、商業を学んだ。


さらに奨学金を得て、ペンシルベニア大学のウォートン校に進んだ。ダブリンに戻った後、ティーリング氏は UCD で教鞭を執るかたわら、鉱業コンサルタントとしても働き始めた。

 

50年が経ったが、今でも彼はその時に借りた質素な事務所を使い続けている。書類整理棚と何本かのウイスキー以外にはほとんど何もないダブリンの事務所だ。

 

50年前に借りてから、一度も引っ越していない。なぜかって? 私はあまりモノには興味がないんだ」と彼は言う。


大学講師の頃から株式を売買していた。彼が採用したのはベンジャミン・グラハム・モデルだ。


「このモデルにしっかり従えば金が儲かるのだが、誰もそうしない。割安株を買えばいい。それ以外、何も必要ない。リービング・サート (訳注: アイルランドの大学に入学するための共通試験) の知識すら必要ない。ある価格で株を買い、価値に見合うと思われる値段になるかどうか見極める。そして売ればいい」とティーリング氏は言う。


アイリッシュ・ウイスキーを復興させた男として知られる彼だが、ウイスキー産業に携わるようになったのはほとんど偶然だと言う。ちなみに、ティーリング家のこの伝統は、ダブリンのリバティーズ地区にティーリング・ウイスキー蒸留所を開いた息子のジャックとスティーブンに引き継がれている。


1970年代にハーバード大学のビジネス・スクールの博士課程に在籍していた彼は、ケース・スタディをいくつも書かなければならなかった。「当時の私の指導教官はウイスキーが好きで、『アイリッシュ・ウイスキーについて調査してみてはどうか』と提案してくれた。始まりはそこからだった」


「ウイスキーについてはまったく無知だった。どれだけひどいマーケティングが行われているかを知って、衝撃を受けた。そこで私は、アイリッシュ・ウイスキーの衰退について、バックグラウンド・ノートを書いた。信じがたいほどの大失敗についてだ。付加価値という観点から言えば、それは最高の業界だった」


1987年、アイルランドに完全に戻ってきたティーリング氏は、事業拡張スキーム (BES) という税金優遇制度を活用してクーリー蒸留所を設立した。彼はこの蒸留所をアメリカのバーボン大手企業であるビーム社に7,000万ユーロを超える金額で売却した。2012年の話である。


しかし、ウイスキー・ビジネスは「損得抜きの愛がなければできない仕事」だと彼は認める。「ウイスキーに付随するリスク・プレミアムは年に30%だ。私を支援してくれたベンチャー・キャピタル (VC) 会社はない。今でもそうだ。リスクが高すぎるんだよ。VC 3年から5年で物を考える。だが、世界は3年、5年の単位で動いていない」とティーリング氏は言う。


「現代社会において起業家の大きな弱点の1つは、キャッシュ・フローがプラスになるまでの時間を短く見積もってしまうことだ」


「ウイスキーは目も当てられない。利益が出るまでに11年かかり、投資資金を回収するのに15年かかった。VC  から見てもらえるのは、よくて5年だ。今の私はウイスキー業界の教祖的存在に見られているかもしれないが、実際のところ、私は何もしていない。すべて皆さんのお陰だ。若者たちが茶色い蒸留酒 (訳注: ウイスキーのこと) を飲み始めたのは約20年前。それが世界中のトレンドだ。誰がアイリッシュ・ウイスキーを飲んでいるか知っているかね? 2239歳の層だ。すばらしいことじゃないか」


よく知られていることだが、彼は自分の会社をアイルランドで上場したことはない。そして、その理由を隠すこともしない。


「アイルランドの機関投資家はけっして私を支援しなかった。大きな投資会社も、保険会社も、年金資金も。彼らは私の事業を支援しなかった。私が彼らと本腰を入れた取引関係を築いてこなかったからかもしれない。私は常にロンドン株式市場で取引することを好んだ。だから、私たちの15社は、すべてAIM (ロンドンのオルタナティブ市場) に上場している。アイルランドで上場した会社は1つもない。コストがかかるし、より厳しい規制に従わなければならないからだ」


(ユーロネクスト社に買収されたことによって、アイルランド証券取引所は) 新興企業にとって、よりやさしい取引所になると思う。ロンドンのAIMの未来はあまり明るくない。規制が増えているからだ。起業家を押さえつけても、何も生まれない」


彼が人生を通して愛してきたビジネスがもう1つある。鉱業だ。しかし、この事業が非常にハイリスクであることは彼も認める。「友人たちはこう言う。『70代、80代になってもまだやっているんだから、事業の裏も表も知り尽くしているんだろう』。まさか! 地面の下、5kmのところに何が埋まっているか、私にわかると思うかね? 思いどおりに行くことなんて、めったにないんだよ」とティーリング氏は手を広げながら語る。「この事業はハイリスク。ハイリスクというのは、損失のリスクが高いということ。利益を得る可能性が高いということじゃない」


「資源会社に関して重要なことは、地質は変化しないということ。しかし、政治的にリスクの高い国に行かなければならない。私はジンバブエに行った。(大統領の)ロバート・ムガベは1986年に死ぬはずだったからだよ。しかし、2019年の今でも彼は生きている (訳注: ムガベは20199月に死去)。だから、ジンバブエに行ったのは賢明な選択だったとはいえない」とティーリング氏は語る。「ボリビアにも行った。1988年から2006年ごろまでは非常にうまくいったが、その後、会社は国有化され、私たちは放り出された。しかし、地質は非常によかった」

また、鉱業や石油は、「自分の評判を落としたい人にはもってこい」の産業だという。


「株価が上昇するのは、私たちが投資について良い意思決定をしたからだ。だが、株価が下がるのは、私がペテン師だからだ」


彼は、「探査会社が私たちの資源を盗んでいる」とアイルランドで言われたことを例にあげる。


「まだ見つかっていない資源なのに何を言っているのか。所有すらしていないものが盗まれるなんてありえないだろう。大西洋の深いところに穴を掘るために2億ドル使おうなんて人間は、本物のすっとこどっこい野郎だけなんだ」


「なぜ政府がそこに金を使わないのか? わかりきった話だ。地面の下に何があるかなんて誰にもわからないからだ。確かめるには穴を掘るしかない。小洒落た機械だか、魔法の杖だかしらないが、そんなものは役には立たたない。冗談じゃない! だからこそ、ワクワクするんだよ」とティーリング氏は言う。


では、なぜ離れないのか? なぜ別の産業に目を向けないのか? たとえば、不動産とか? (よく知られていることだが、ティーリング氏は自宅を所有しているだけで、不動産に投資したことは一度もない)


「この上もない体験をしたからだ。1つ話そう。20041119日に電話があった。こんな電話はめったに掛かってくるものじゃない。それは、デビアス社 (訳注: ダイヤモンド採掘大手企業) の世界探査責任者からの電話だった」とティーリング氏は言う。


「彼はこう言った。『ジョン、ボツワナで良い穴が開いたみたいだ。あそこには、たぶん何かある』。こんなことは他にない。穴を掘って何かが見つかることほど素晴らしいものはない。私の経験の中で、これに勝ることなんて他にないんだよ。この鉱山は後にルカラ・ダイアモンド社のものとなった。最終的には私たちの手を離れたわけ

だが、世界で最も良い鉱山の1つであることは間違いない」


「私たちは大当たりを願いながら生きている。私が大当たりを当てたのは50年間で4回ほどだろう」


マリワナ産業のビジネス・プランを抱えた男は、さらなる大当たりを追いかけて生き続ける。

 

(翻訳ここまで)


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日本に輸入された最初のウイスキーはアイリッシュ? 猫印ウイスキー

歴史
06 /09 2020

明治に元号が変わる前後から、外国人居住地に住む外国人向けにはさまざまなウイスキーが持ち込まれていたようなのですが、日本人への販売を目的として初めて輸入されたウイスキーは、1871 年に横浜山下町のカルノー商会が取り扱った「猫印ウヰスキー」であるとされています。

 

たとえば、土屋守さんが書かれた『ウイスキー通』にも、「1871(明治4)年に横浜山下町のカルノー商会が輸入した通称「猫印ウイスキー」で、これが日本人向けのウイスキー輸入の最初の記録だとされています」とあります。

 

そして、この猫印ウイスキーというのは、19世紀後半には世界を席巻していたアイリッシュ・ウイスキーであり、その銘柄はバークス (Burke's) である可能性が高いのではないかと言われています。

 

そのあたりについては、ウイスキー・マガジン誌に石倉一雄さんが『戦前の日本とウイスキー』というタイトルの記事で詳しく解説されているほか、こちらの特許翻訳者の方も各国の商標データベースなどを資料としてブログで詳細に検証されています。

 

少し話が横にそれますが、私は2016年頃からアイルランドのウイスキーやビールのグッズを集め始めました。E-Bayのようなオンライン・オークションで買うこともありますが、オークション会場に出かけて札を上げて買ったりもします。

 

そういうオークションに初めて出かけたときか、2回目だったかに、下の写真のアイテムを競り落とすことができました。

 

201908200417570.jpg

 

バークス・ウイスキーのパブ・ミラーです。パブ・ミラーといっても、正直、かなり雑なつくりです。1.2cmぐらいの木の板と0.8cmぐらいのガラスの間に、おそらく紙のラベルが挟み込まれているというもの、ガラスはいちおう面取りはしてあります。サイズは約45x30cm

 

バークス・ウイスキーのトレードマークである猫の姿が見えるでしょうか。猫印のところだけ拡大しますね。

 

201908200418000.jpg

 

このパブ・ミラーはハンマー・プライスが55ユーロで、手数料等を入れて全部で68ユーロぐらい払いました。

 

バークス・ウイスキーは、E&J Burke 社というエドワードとジョンのバーク兄弟が創った会社が生産していました。この 2 人は、ギネスの創設者であるアーサー・ギネスの孫で、アメリカでのギネスの独占販売権を取得するなど、アルコール飲料事業を手広く営んでいました。

 

ウイスキー業者としては、自社で蒸留所を構えていたのではなく、蒸留所からウイスキーを買ってきてブレンドして販売するボトラーだったようです。

 

バークス・ウイスキーがいつ頃まで販売されていたのかは分からなかったのですが、会社自体は創業が 1848 年、廃業が 1953 年です。アメリカの禁酒法やら何やらで、20 世紀半ばまでにアイリッシュ・ウイスキーは壊滅的な打撃を受けて、数多くのブランドが市場から退場したのですが、Burke's もその中の 1 つだったようです。

 

ところが、この Burke's ブランドが2017年に復活を果たしたのです。復活させたのは、新興の独立系蒸留所であるグレート・ノーザン・ディスティラリー。限定生産の 14 年モノと 15 年モノのシングル・カスク・ウィスキーが、ダブリンにある Celtic Whiskey Shop というウイスキー専門店でのみ販売されています。お値段は700ml入りで 135 ユーロと 132 ユーロ。1 7 8 千円ですから、高級品の部類ですね。ただ、アルコール分が高くて、それぞれ59%57.5%です。


201908200418030.jpg

 

猫の下のアルファベットが EJB から GND に変わっているがお気づきでしょうか。

 

グレート・ノーザン・ディスティラリーは、北アイルランドとのボーダーに近いダンドーク (Dundalk) という街にあります。アイリッシュ・ウイスキー復活の立役者のひとりともいえるジョン・ティーリング氏が中心となって運営しています。操業開始は2015年。 

 

この蒸留所は、もともとはグレート・ノーザン・ブリュワリーというビール醸造所で、ディアジオ (ギネスの親会社) がハープ (Harp) というブランドのラガー・ビールを 2013年まで製造していました。

 

年間1,600万リットルのウイスキーを生産でき、ポット・スティルと連続式スティルを駆使して、グレーン、トリプル・モルト、ダブル・モルト、ピーティッド・モルト、ポット・スティルのウイスキーを生産しています。自社ブランドで製品を出すというよりも、ボトラーや他のブランドに原酒を提供するのが主なビジネスのようです。

 

復活したバークス・ウイスキー、ちょっとお値段が張りますが、日本と縁のあるウイスキーということで、お土産にいいかもしれません。

everyohitler.jpg

     (1930年代ころのバークスのボトル)


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「レッドブレスト・ドリーム・カスク」のサード・エディション

ニュース/記事
06 /05 2020

今回もアイリッシュ・タイムズに掲載された記事を翻訳してご紹介します。202062()に掲載された「ウイスキー: 新しいレッドブレスト・ドリーム・エディション」という記事です。


redbreast.png

 

アイリッシュ・ディスティラーズ社が「レッドブレスト」のブランドのもとに毎年発売している「レッドブレスト・ドリーム・カスク」。今年で3回目のエディションです。今回は、ポート樽の使用にこだわったブレンドのようです。500ml入りのボトルの値段は490ユーロ(6万円~65000)。オンラインの会員クラブのみでの限定発売です。

 

 アイリッシュ・タイムズの記事へのリンク:

Whiskies: Another round of the Redbreast Dream Edition


 

(翻訳ここから)

ウイスキー: 新しいレッドブレスト・ドリーム・エディション

文: ジョン・ウィルソン

2020年6月2日


どうやら、アイルランドにいる私たちは、高価なウイスキーに目がないようだ。今年の2月、史上最も高額のアイリッシュ・ウイスキーについて私は記事を書いた。その名も「ミドルトン・ヴェリー・レア・サイレント・ディスティラリー・コレクション・チャプター・ワン」。1本あたりの価格は35,000ユーロである。

 

今週リリースされるウイスキーはこれよりも控えめな価格設定である。先週の火曜日はワールド・ウイスキー・デイだった。これを記念して、アイリッシュ・ディスティラーズ社は、年に一度発売される「レッドブレスト・ドリーム・カスク」のサード・エディションを市場に出した。500ml入りのボトルの値段は490ユーロ。手に入れる権利が得られればの話であるが。過去のエディションを幸運にも購入し、その後、他の愛好家に譲った人は、かなりの利益を得ることができた。

 

「ドリーム・カスク」は、レッドブレストのオンライン・プライベート会員クラブである「ザ・バードハウス」でのみ購入を申し込める。参加するには、redbreastwhiskey.com にアクセスして、登録する必要がある。申し込みの受け付けは、62(火曜日)の午後259分から。申し込みが承認された参加者は、500ml のボトルを490ユーロで購入できる。

 

今回の「ドリーム・カスク」に含まれるウイスキーは、最も若いものでも28年の熟成期間を経ている。レッドブレスト・ブランドとしては初めて、すべての原酒の仕上げにルビー・ポート・カスクが使用されている。原酒の一部は、最初から最後までポート樽で熟成されている。オロロソ樽で熟成された原酒も含まれる。4種類の原酒はすべてポート樽で仕上げられた後、ブレンドされて、「ドリーム・カスク・ポート・エディション」ができあがった。

 

幸運なことに、このウイスキーの(非常に小さな)ボトルをテイスティングのために私は頂くことができた。ノーズ(香り)は力強く、さまざまなスパイス、そして柔らかで甘いプラムが充満し、ほのかに焼けた木の香りも漂う。パレート()は、豊穣でスムース。ダーク・フルーツとドライ・フルーツ、そしてエキゾティックなスパイスが味蕾を刺激し、さわやかなシトラスもそこはかとなく感じられる。ウイスキーを少しだけ残したグラスを何時間か置いておいたのだが、アロマは馥郁さを増すばかりだった。仲の良い友人とともに、ゆっくりと味わいたい一品だ。コレクターに譲るのもいいだろう。

 

(記事ここまで)


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最も高価なアイリッシュ・ウイスキー: 1本35,000ユーロ

ニュース/記事
06 /04 2020

少し古い記事になりますが(2020218日公開)、ミドルトンの旧蒸留所で生産された45年物のウイスキーが発売になるというニュースがありました。お値段は135,000ユーロ(420万円)48本限定です。おそらく史上最高額のアイリッシュ・ウイスキーだろうとのこと。

 

おもしろそうな記事だったので訳してみました。

 

アイリッシュ・タイムズの記事へのリンク:

€35,000 a bottle: most expensive Irish whiskey goes on sale today

 

(記事ここから)

非常に希少な45年物のアイリッシュ・ウイスキーが火曜日(2020218)に発売される。価格は135,000ユーロ。48本だけ発売される「ミドルトン・ヴェリー・レア・サイレント・ディスティラリー・コレクション・チャプター・ワン」は、最も高価なアイリッシュ・ウイスキーであると考えられている。


veryRare.png

 

「ディープでダークなスパイスのような豊穣さ」と描写されるこのウイスキーは、ミドルトンが市場に投入する、年数の非常に古いアイリッシュ・ウイスキー・コレクションの最初のものとなる。2025年まで1年に1種類ずつ、6つの異なるウイスキーが発売される予定である。

 

最初に発売されるのは、元の蒸留所が閉鎖される1年前に、マスター・ディスティラーだったマックス・クロケットにより生産されたシングル・アイリッシュ・モルト・ウイスキー。麦芽の乾燥にピートを使用した45年物のである。これは、革新的なトライアル・バッチの一部であり、二度と同じものが作られることはなかった。

 

閉鎖され、今は蒸留を行っていない蒸留所は、サイレント・ディスティラリーと呼ばれる。こうした蒸留所の生産物として残っているのは、貯蔵室で熟成されている超レアなウイスキーのみである。こうしたウイスキーは、世界中の愛好家やコレクターの垂涎の的である。

 

コークにあるオールド・ミドルトン蒸留所は1825年から1975年まで操業した。この蒸留所で蒸留されたウイスキーが発売されるのは16年ぶりとなる。「チャプター・ワン」です使用されるボトルは、手吹きで製造されたウォーターフォード・クリスタルのデカンターであり、アイルランド人デザイナーのジョン・ガルヴィンの手による木製キャビネットに入っている。

 

このウイスキーは、アイルランド、英国、フランス、米国の専門店で販売されるほか、オンライン会員プログラムであるザ・1825・ルームで希望者の中から抽選で2名に販売される。

 

ミドルトン・ヴェリー・レアの現在のマスター・ディスティラーであるブライアン・ネーションは、このウイスキーを次のように描写している。

 

ノーズ(香り): 第一印象は、満足感を与えるアンティークのオークをベースとした、ディープでダークなスパイスのような豊穣さ。切り出されたばかりのピートによる土の香り、そしてセーム革が、グレープフルーツの一絞りにより立ち上る。非常に古いシェリー・ワインの年季の入ったホグズヘッド樽が、熟れた甘露メロンとレッド・ベリーのかすかな香りと、焼いたオークの甘いスパイスを醸しだしている。

 

テイスト(): たちどころにわかる豊饒さ。最初に感じる胡椒のようなスパイスが、麦芽の影響が表れるにつれてゆっくりと和らいでいく。甘草、大麦糖、蜂蜜がいくらかの甘味をもたらし、かすかなシャーベットがエッジを加味する。しっかりとした基礎として、焼いたオークがすべてを支えている。

 

フィニッシュ(余韻): 豊かなスパイスと麦芽がゆっくりと消えていく。

 

(記事ここまで)


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2019年アイリッシュ・ウイスキーの販売量。ジェムソンが引き続きトップ。コナー・マクレガーのプロパーNo. 12が4位に躍進。

ニュース/記事
06 /03 2020

202061日付のアイリッシュタイムズに、アイリッシュ・ウイスキーの2019年の全体的な販売量や銘柄別の販売量について記事が掲載されていましたのでご紹介します。見出しは、「アイリッシュ・ウイスキーの販売量が、年間1,200万ケースのマイルストーンに近づく」(Irish whiskey sales near milestone of 12m cases a year) です。


アイリッシュ・タイムズの記事へのリンク:

Irish whiskey sales near milestone of 12m cases a year


以下、記事の要約です。

 

アイリッシュ・ウイスキーの販売量が、年間1,200万ケースという史上最高記録に近づいた。(: 1ケースは9リットル。750ml入りのビンが12本ということです)

 

銘柄別のトップはジェムソン。コナー・マクレガー(MMAの選手)のプロパーNo. 12 (ナンバー・トゥエルヴ)が多くの人気銘柄を追い抜いて4位に躍り出た。


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ジェムソンの昨年の販売量は800万ケース(2018年は720万ケース)2位のタラモア・デューは150万ケースを世界で売り上げた(2018年は130万ケース)

 

821,500ケースを販売したブッシュミルズが3位。そして4位がプロパーNo. 12。前年は38,200ケースに過ぎなかった売り上げが、今年は213,800ケースへと急増。

 

マクレガーのウイスキーの売り上げはトップ3には遠く及ばないが、販売市場が拡大したことで、パディー、パワーズ、ティーリング、レッドブレスト、ダブリナーなどの銘柄を追い抜いた。

 

5位がパディー、6位がキルベガン。販売量はそれぞれ185,000ケースと133,100ケース。

 

アイリッシュ・ウイスキーの全体の売り上げは、2018年と比較して2019年は10.6%増加した。

 

この統計を発表したIWSRドリンクス・マーケット・アナラシスでは、Covid19の影響で2020年の売上高は減るだろうと見ている。

 

しかし、IWSRのリサーチ・ディレクターのハンフリー・サージャントソンによれば、売り上げの不振は長くは続かず、2022年には2019年のレベルに回復するだろうとのこと。

 

アイリッシュ・ウイスキー協会(IWA)のウイリアム・ラベル氏によれば、米国がアイリッシュ・ウイスキーの市場として圧倒的に最大であることには変わりはないが、他の地域でも売り上げは大きく伸びているという。

 

「昨年、中欧/東欧では、売り上げが18%と大きく増加した。これは世界の伸びの3分の1を占める。この地域が米国に対抗できる市場であることが改めて確認された」

 

アイルランド国内での2019年の売り上げは、1.5%増加して59万ケースとなった。ジェムソンは2018年の235,400ケースから250,000ケースへと6%の増加。2位はブッシュミルズだが、売り上げは96,000から82,000へと減った。3位のパワーズも3%減らして80,000ケースの出荷にとどまった。

 

4位のパディーは15%増加して50,000ケース。5位のティーリングは13%増加して22,000ケース。

 

プロパーNo. 12のアイルランド国内の売り上げは24%上昇したが、銘柄別の順位では19位。

 

ジェムソン、パワーズ、レッドブレストなどのブランドを抱えるアイリッシュ・ディスティラーズ社の最高経営責任者コナー・マクェイド氏は、2019年のデータは、業界の多様化が引き続き進み、スコッチ・ウイスキーとアイリッシュ・ウイスキーの差が縮まったことを示していると言う。

 

現在の状況は業界にとって厳しいものだが、必ず回復することは間違いない、とマクェイド氏は自信を持っている。

 

「何十年にもわたって衰退を続けたアイリッシュ・ウイスキーの業界が、ここ10年で著しく復活し、輸出を牽引力として成長した。この傾向は続くと信じている。しかし、今後数か月における業界の最優先事項は、既存の主要マーケットで売り上げを再び活性化させることだ。これには、アイルランド国内市場も含まれる」。

 

以上です。


IMG_0190.jpg

(2017826日、コナー・マクレガーvsフロイド・メイウェザー戦の当日、ダブリンのテンプルバーで即興で絵を描く大道絵師)


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tarafuku10

アイルランド・ダブリン在住。男性。